第6章 Piece of My Heart
和也の唇が、俺の体中を這った。
「しょうさん…きもちいい?」
「うん…きもちいいよ…」
和也の髪の毛を撫でながら、俺は幸福ってやつを噛み締めてた。
身体を重ねることだけが幸せじゃないけど。
でもこうやってお互いの体温を感じることだって、とっても大事なことで。
和也の傷が完全に癒えたとはおもわないけど、きっとこれは和也にとって必要なことなんじゃないかなと思った。
和也が愛されてるって思える、唯一の手段なんだから。
そうじゃないって俺は思うんだけど、和也は固く信じこんでるようだから。
「和也…愛してるよ…」
和也がびっくりして顔を上げた。
「あい…」
「そうだよ…愛してるよ…」
「しょうさん…」
「ん?」
「しょうさん!」
「どうしたの?」
突然、がばっと飛びかかってきたかと思うと俺の首に手を回してぎゅっと抱きついてきた。
「かずもっ…あい…あいっ…」
「うん…わかってる…」
「あいしてます…」
そういうとまた泣きだした。
せっかく泣き止んだのに…
俺は和也の顔を覗き込んで、シーツで涙を拭ってやった。
「あいしてますぅー…」
えぐえぐしながら言う和也は、最高に可愛かった。