第6章 Piece of My Heart
「しょう、さん…」
「うん…?」
「しょうさん。すきです」
「うん…俺も好きだよ」
和也がそっと俺の頬にキスをする。
「すきです」
「ん。ありがと」
俺も和也の頬にキスをする。
じっと和也が俺の目を見る。
透明な瞳が、俺の眼の奥まで見透かす。
「しょうさん…」
ぎゅうっと抱きついてきたかと思ったら、俺をソファの座面に突き飛ばした。
ゴロンとソファに転がった。
「ええっ!?どうしたの、和也?」
「します…」
「えっ…だめだろ…お前まだ…」
「いやっ…いやっ…ぼく、しょうさんといっしょしたいっ」
「どうしたんだよ…和也…」
手を伸ばして髪を撫でると、泣き顔が見えた。
「もうこわくないです…」
和也があんな目にあってから、俺は和也に性的な意味で触れることができなくなってた。
そりゃ、抱きしめたり軽くキスしたりはしてたけど…
和也が思い出してしまわないように。
俺はずっとそういう欲望を消していた。
「和也、あんなことしなくても、俺はどこにもいかないよ?ずっと一緒だよ?」
「いやっ…しょうさん…いっしょ、しよ?」