• テキストサイズ

ROSE【気象系BL小説】

第6章 Piece of My Heart


「櫻井さん…これは真剣な話ですけど…」


「あ…はい…」


「和也くんに親類はいません。天涯孤独です。だからあの男に付け狙われてるんです」


「え…」


「最後まで戦える身内がいないから」


「そんな…」


「だから、私達が守らなきゃならないんです。一緒に…戦ってくださいますか?」


「もちろん」


先生はにっこり笑った。


「この何ヶ月かで、櫻井さんが和也くんのことずっと守ってくれると、私は思えました…どうか、お願いします。和也くんを…」


先生は頭を下げた。


「幸せにしてあげて下さい」


「顔を上げて下さい…先生…」


「法的なことは、私が全部クリアにしますから…後は、和也くんの人生を…どうか…」


先生は言葉に詰まった。


和也が立ちあがって、先生の隣に座ると、先生の肩を抱きしめた。


先生はびっくりして顔を上げた。


「せんせぇ…泣かないで…?」


「和也くん…」


「せんせぇ、だいすき」


ぎゅっと和也は先生に抱きついた。


「ありがとう…和也くん…」


先生も和也をぎゅっと抱きしめた。


俺よりも、この二人は長く過ごしてる。


計り知れない絆がある。


嫉妬しないといったら嘘になるけど…


でも、和也にこの先生がいてよかったと心の底から思った。

/ 420ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp