第6章 Piece of My Heart
和也が入院している間、先生は俺のことを調べたらしい。
その上で、和也を俺に預けることに決めた、と後日言われた。
「そうでしたか…」
「すいません、気分悪いですよね…」
「いえ…しょうがないですよ。大事な和也くんのことですもん…」
「すいません…櫻井さん…まさか、お父様が官僚だなんて…」
「親父と俺とは関係ありませんから」
「あら…やっぱり上手くはいってないんですね…」
「そんなことまでわかるもんなんですか…」
「ええ…櫻井さんが何歳までおねしょされてたとか…」
「しょうさんっおねしょっ」
「ばっ…何言ってるんですかっ…先生っ…」
新宿のおしゃれなカフェで俺は、公開処刑を受けた。
「ぶっ…ふふふ…和也くん、今はおねしょしてないからね?」
「あっ…あたりまえですっ…」
「しょうさん、おねしょしてないっ…」
和也が興奮気味に確認してくるから、大きく頷いてやった。
ケラケラ笑うから、ほっぺたをつねったら、くにゃっと笑った。
「なんか…熱々ですね…」
先生が恥ずかしそうにうつむいた。
「あっ…すいませんっ…」
あやうく二人の世界にひたるところだった…