第5章 Down on me
「和也?病院から出たら、俺のうちで一緒に暮らそうね」
和也が顔をあげた。
「え…」
「だから俺のお家で、俺と和也が住むんだよ?」
「ぼくとしょうさんが、いっしょに住むですか?」
「そうだよ。先生もいいよって言ってくれたよ?」
「先生がいいっていいましたか」
「言ったよ。和也のことよろしくねってお願いされたよ」
「ほんとですか?」
「ほんとだよ。だから、頑張って早く退院できるようにしような」
「…はいっ。どうすればいいですか。はやくしょうさんの家いきたい」
「まずは、お医者さんの診察受けること。おまわりさんとちゃんと喋ること。看護師さんのいうことちゃんときくこと。できる?」
「うう…」
「できないと、病院にずっといなきゃいけないよ?」
和也のお尻をすっと撫でる。
「ここの傷だって…消毒しないと治らないって、お医者さんが言ってたよ?」
和也の身体の傷で、一番深刻なのは、肛門の裂傷だった。
そこを触ろうとすると、一番嫌がって暴れる。
結局、素人の俺が消毒してやっていた。
力の加減を全くしないので、和也が暴れだすと、部屋中酷いことになる。
人も皆、青あざを作っていた。
どうにかしないと…