第18章 Buried Alive In The Blues
けたたましい叫びで目が覚めた。
「小出さんっ…こい…ああああっ…」
「雅紀!?どうした!?」
慌ててナースコールを押すと、暴れる雅紀の肩を押さえつけた。
ソファで仮眠してた潤と智が飛び起きた。
「いやああっ…翔がっ…翔が来るっ…」
「何言ってんだ…翔はもう居ないだろ…」
「違うっ…そこに立ってるっ…和也と一緒にっ…」
部屋の隅を指さして、雅紀は更に暴れた。
「怒ってるっ…翔は怒ってるよおっ…」
「雅紀…」
部屋にナースやドクターが飛び込んできて、雅紀の身体を押さえつけた。
危ないから下がってるように言われて、智と潤が立ちすくむ部屋の隅に移動した。
雅紀の身体をベッドに固定して、ドクターは雅紀に鎮静剤を打った。
これすらも、ヤク中の雅紀には効かないことが多くて、ほんの気休めだった。
「あああああっ…翔っ…ごめんなさいっ…ごめんなさいっ…」
暴れる雅紀の振動で、ベッドがぎしぎしと音を立てている。
「ねえ…小出さん…」
「ん…?」
「雅紀、今、正気なのかな…」
「ああ…」
「わかってるのかな…翔を殺したって…」
「さあな…雅紀にしか、わからんことだろうよ…」
智と潤はぎゅっと手を繋いだ。