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ROSE【気象系BL小説】

第18章 Buried Alive In The Blues


「もう、脳が…萎縮しちまってな…元には戻らねえんだとよ」

ヤクは脳を縮める。
神経系を破壊する。
最終的に脳出血を起こして死に至る。
もしくは翔のように呼吸困難を起こして、死に至る。

翔は…精神安定薬(後から聞いたら向精神薬も含んでいたそうだ)を乱用していたから、最後に打ったコカインがダメ押しになったそうだ。

合成系からなにから乱用してた雅紀は、もう最終段階にきている。

いつ、脳の血管から大出血してもおかしくない。
いつ、呼吸困難になってもおかしくない。
それほど身体は弱っていた。

会話ができる時間はほんのわずかで…
後は昨日みたいにヤクを欲しがって暴れるか、幻覚を見て漂ってるかのどれかだった。

「小出さん、疲れたでしょ…?」

智がいたわるような眼を俺に向けた。

「お前らだって…疲れたろう…?和也の葬式、ちゃんとやったのか?」
「ああ…小出さんとこの教会…あそこでお願いしたよ」
「そうか…」
「でも墓は、翔と同じとこに入れてもらったよ」
「…許してくれたのか?翔のご両親が…」
「うん…向こうからそう言ってくれて…世田谷の墓苑に新しいお墓作ったんだって」
「え…?翔と和也の墓か?」
「うん…」
「そうか…」

あいつらは…死んだ後も…

「あ…あぁ…やだあっ…」

雅紀のか細い声が聞こえた。
夢の中ですら…幻覚に襲われているんだろう。

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