第18章 Buried Alive In The Blues
「雅紀?わかる?俺だよ」
智が雅紀の手を握ってやると、雅紀は智に顔を向けた。
「智ぃ…ねえ、俺もう元気だよ?早く病院から出して?」
「だめだって…こんなにやせてるんだから…もうちょっとお肉ついたらな」
潤は硬い表情のまま、ベッドの足元に立ってる。
「ねえ、潤…俺、元気だろ?なんで出してくれないの?」
「…さあ…医者がいいって言うまで、しょうがねえんじゃない?」
「なんでぇ…?もうやだよ…病院…」
泣き出してしまった雅紀の頬を、智が優しく包んだ。
「泣くなよ…」
弱り切ってる雅紀は、それで体力を使ってしまったのか、そのまま眠ってしまった。
「もう…隔離室でもないんだ…」
潤が諦めたように言うと、そのまま壁際に置いてあるソファに沈んだ。
「ああ…もう、立ち上がることすらできないからな…」
「昨日あんなに暴れたのに…」
「まあ、もうああいうことは稀だからな…」
ここに入ったころは頻繁に暴れて…
ヤクを求めてよくベッドをひっくり返したりしてたから、隔離室に入れられてた。
でもそういうのも少なくなってたから、今は一般の病床にいる。
もう、暴れる体力も雅紀にはなかった。
昨日は、潤と智に久しぶりに会えて、高ぶったんだとドクターは言ってた。