第18章 Buried Alive In The Blues
布団を掛けたついでに、雅紀の手を握ってやる。
一度、日本に帰国したが、翔が死んだときのごたごたですぐにまたアメリカに渡った。
翔の遺体を引き取って日本に帰り、ご両親に渡して…
それからavidを解散する仕事に追われた。
ガオがこの世を去り、完全に活動の源を亡くしたバンドは解散せざるを得なかった。
だが、メンバーたちのことを思うと、すぐに解散には踏み切れなかった。
その結果がこれだ。
翔まで失って…雅紀も、また…
あの時しっかりけじめをつけて、雅紀とあいつらを引き離していれば…こんなことにはならなかったのかもしれない。
ドアをノックする音が聞こえた。
返事をすると、憔悴しきった潤と智が部屋に入ってきた。
「どう…?小出さん」
「ああ…はいれよ。今日は気分がいいみたいだぞ」
「雅紀…」
潤と智は、ゆっくりと雅紀のベッドに進んだ。
和也が死んだ
昨日、会った途端こいつらは堰を切ったように話してきた。
それは予想していたような…
話を聞いても衝撃を受けなかった。
そうだろうな…翔の野郎、心配で連れて行きやがった…
そう思った。