第17章 Pearl
病院につくと、かかりつけの医師が居るか確認する。
幸い当直で居たから、すぐに見てもらえることになった。
診察室に入ると、医師は顔を顰めた。
「ごはん、食べてないですね…」
「ええ…最近はほとんど…無理やり食べさせるようにしてるんですが…」
「そうですか…和也くん、お口あけて」
木のヘラを持ちながら医師がいうと、素直に口を開いた。
「ん。ちょっと喉が腫れてますね…熱は何度ありましたか?」
「38度ありました」
「血液検査と…点滴しましょうか…まずは…」
医師がカルテに書き込んでいる間、和也はぼーっと空を見上げていた。
突然、声を出して笑い始めた。
「…どうしたんでしょう…」
「さあ…最近頻繁なんですよ…」
「そうですか…MRIも撮りましょうか…明日…」
時間は夜の7時になろうとしていた。
医師に指示されて、隣の処置室に入った。
和也の腕をめくって採血の準備をする。
看護師が入ってきて、ステンレスのお盆みたいなものの上に、注射器を並べた。
和也はそれを見るなり、青ざめた。
「いやっ…いやっ…」
急に暴れだした。
「和也!?どうした!」
潤が慌てて身体を押さえにかかった。