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ROSE【気象系BL小説】

第16章 The Last Time


「小原…翼…」


ホテルの部屋の入口で、二人の疲れきった顔を見た。


「とにかく、中入れてくれ」


翼が言うから、ドアを開いてやった。


小原が後ろを確認すると、素早くドアを締めた。


「どうしたんだよ…?」


和也がまた俺に抱きついて離れなくなった。


「荷物を纏めろ…」


翼がトランクケースを掴んで開いた。


「なんで…?」


「郊外にモーテルがある。そこに隠れてろ」


「なんでもいい!早く!」


剣幕に押されて、荷物をまとめた。


小原が一足先に出て、チェックアウトを済ませた。


翼の車に押し込められると、やっと翼が口を開いた。


「小出さんのことは、上手くやった」


「そうか…」


それが一番知りたかった。


新聞に名前が載っていなかったから、きっと小出さんは捕まらずにすんだんだろう。


「小出さんはさっき出国した」


「…じゃあなんで俺たちが隠れなきゃいけないの?」


翼は言葉を切った。


そこに小原が飛び込んできた。


「行こう」


その顔は有無を言わさなかった。


場末のモーテルに着くと、翼と小原は俺たちを部屋に置いて、すぐに車に乗り込んだ。


「とにかく、誰が来ても部屋を開けるな」


そう言って車は出て行った。
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