• テキストサイズ

ROSE【気象系BL小説】

第16章 The Last Time


それから小原と翼からはなんの連絡もなく。


こちらからも連絡することは憚られて。


和也を腕に抱きながら、一睡もできず夜を明かした。


明け方にすこしウトウトした。


夢をみた。


それは…あの時の夢。


和也がレコーディングに参加したときの夢だった。


和也のピアノの腕に、みんな驚いて。


次のレコーディングには正式にメンバーに迎えようとガオが話して。


小出さんも、皆も、嬉しそうに笑ってて。


和也はいきいきとピアノを弾いた。


あの時、あの瞬間が一番楽しかった。


ガオ…楽しかったね…




目が覚めたら、また泣いていて。


電話をみたら着信があって、慌ててかけ直した。


『もしもし…翔?』


「風間…」


『あれ…?お前じゃなかったの』


「…榎本?」


『うん』


「途中まではな…」


『え?』


「途中まで俺がやった」


『なんだよ…なんでお前のほうが先に辿り着いてるんだよ…』


「悪い…お前のとこの情報網よりも国家レベルだったってことだ」


『なんだ…父ちゃんか』


「ああ…そういうことだ…」


『誰がやったんだよ…』


「小出さんだよ」


『えっ…』


暫く風間は絶句した。


『…それなら…許すよ…』


そう言って電話は切れた。
/ 420ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp