第16章 The Last Time
シャワーを浴びて、和也の傍でずっと和也を見つめた。
日が暮れて、部屋が真っ暗になった。
出て行く前に、和也の手を握った。
頬に触れる。
柔らかい頬…
唇にキスを落とすと、和也は目を覚ました。
「しょうさん…?」
「和也…ちょっと出かけてくるよ」
「…だめ…」
「え?」
「ぼくもいく」
「和也…」
「ぼくもっ…」
また発作が起きそうだった。
とっさにピルケースから錠剤を取り出して口に含んだ。
ベットサイドにおいておいた水を口に含むと、和也の口に流し込んだ。
ごくんと飲み込むのを見て、和也を抱きしめた。
服を脱いで、和也の上に覆いかぶさった。
和也は目を見開いて、俺を見つめている。
ゆっくりと服を脱がすと、和也の身体を撫でた。
「大丈夫だから…和也…」
ゆっくりと和也を解して、身体を開かせる。
乳首を舐めながら、和也の中にはいると、和也は俺にしがみついた。
「いかないで…いかないで…」
うわ言のように繰り返して泣いている。
「あ…しょう…」
身体が反り返ったかと思うと、俺の手に白濁を吐き出した。
「うっ…くぅ…」
快感の余韻に浸りながら、和也はまた眠りに落ちていった。
「たくさん、おやすみ…」
髪にキスをすると、ずるりと和也から出た。
そのまま身体を拭いて、服を着た。
そっと部屋を抜けだして、榎本の待つ街へ出発した。