第16章 The Last Time
ホテルについて、和也を抱きながら歩いた。
部屋について和也を横たえると、翼は帰っていった。
「何かあったら連絡するよ」
「ああ…頼む」
翼の顔に影が見えた。
「無茶、するなよ…?」
「ああ…心配するな…」
心配そうに振り返りながら、翼は戻っていった。
「…しょう…」
ドアを締めたら、和也が俺を呼ぶ声がした。
「和也…」
傍に近寄って、和也の髪を撫でた。
「しょうさん…」
青い顔で俺を見上げてる。
「眠ろう…?和也…」
「いや…」
「だめだよ…久しぶりの発作だったから…身体がびっくりしてるよ?」
「いや…おきてる…」
俺の服をぎゅっと掴んで離さない。
「和也…」
切ない目で俺を見ている。
「いっしょ…」
「だめだよ…」
「いっしょ…に…いたい…」
「和也…」
「ずっといっしょに…」
「うん…一緒に居ような…ずっとだ…」
ちゅっと軽くキスを落とすと、和也は目を閉じた。
そのまま眠りに吸い込まれていくのを見届けて、俺は立ちあがった。
風間が捉える前に…
やっぱり俺がアイツを殺す。