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ROSE【気象系BL小説】

第4章 Half Moon


寮の前までつくと、和也がごねだした。


「どうしたの?」


そう聞くと、泣きそうな顔をした。


「いっしょ…」


「和也…」


そっと手を握り直すと、ぎゅっと握り返してきた。


「俺も、一緒に居たいよ?」


「しょうさん…」


和也の手が、俺の服の裾を掴んだ。


「もうちょっと…だめですか?」


「いいよ…じゃあ公園いこうか?」


和也の顔が、ぱあっと明るくなった。


満面の笑みを浮かべると、下を向いた。


照れてるのか?


「はい…」


「じゃあ、寮の先生に言ってこい」


「はぁい」


寮へ駆け出していった和也の後ろ姿を見送る。


Tシャツの裾が翻って、素肌が見えた。


横掛のカバンを跳ねさせて和也は駆けていく。


元気よく。


思わず微笑む。


俺のこと好きだって、あんなに体全体で表したやつっていたっけ…?


車止めに腰掛けて和也を待ってる間、リリックが降ってきた。


ああ、これ忘れないようにしなきゃな…


今はなにも持ってないや。


しばらくすると、寮母さんと一緒に和也が出てきた。


寮母さんは俺にお礼をいいながら、和也を送り出してくれた。


約束は、夕飯まで。
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