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ROSE【気象系BL小説】

第16章 The Last Time


車は進んで、今日の夜榎本を待ち伏せしようとしている地区に入った。


「小原、どうする?」


翼が運転席から小原の顔を覗き込む。


「ん…とりあえずこの辺にホテルとるか…」


適当な場所に見つけた小さなホテルに部屋を取った。


ここを中心にして動く算段を二人はとっていた。


和也と俺はずっとそれを眺めていた。


「しょうさん…」


「ん…?」


きゅっと抱きついてきて、離れない。


「小原…」


「ん?」


「ちょっと…ホテル帰っていいか?和也が…」


「あ、ああ…どうしたんだ?」


「わからない。ちょっと休ませたい」


「わかった。後のことは俺達でやっとくから…とりあえず、翼に送らせるから」


小原が心配そうな顔をした。


「大丈夫だよ…ちょっと休めば…な?和也?」


和也がかすかに頷くと、小原は俺に目を向けた。


「とにかく、動きがあるのは夜だと思うから…それまで休んでて」


「わかった。よろしくな…」


その後のことはなんとかなる。


翼に送られていく車中で、和也はまた俺にしがみついた。


「ははっ…どうした!和也!」


重い空気を吹き飛ばそうと、翼が明るい声を出す。


「甘えん坊だな。お前…」


それに乗ってやると、翼は微笑んだ。

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