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ROSE【気象系BL小説】

第16章 The Last Time


どうして和也…?


なんでそんな不安になるんだ…?


ぎゅっと抱きしめても、何をしても和也の涙は止まらなくて。


泣きつかれて眠るまで、ひたすら俺は和也を抱きしめていた。


前にもあった。


何がお前をこんなに不安にさせるんだろうな。


もう離れないのに。


”死がふたりを分かつまで”


ふと、そんなセリフが浮かんだ。


そう。


死ぬまで離れないのに。


どう言葉で言っても、和也には伝わらないから、ずっとそばに居てやる。


ずっとだ。


眠った和也の身体を抱えて風呂に入る。


綺麗に洗って上がると、和也をベッドへ横たえた。


カバンからピルケースをだすと、また一粒がりっとかじった。


最近、これをやってないと落ち着かない。


特に神経の高ぶった後は、これをしないと…


一粒が二粒。


二粒が三粒になるのには時間はかからなかった。


医者は何粒までって言ってたかな…


忘れた。


ホテルの窓から見える、ネオンを見下ろした。


ここに、この街に榎本がいる。


そして、榎本を追ってきた風間も。


どこかに、眠ってる。


明日、どんなことが起こるか誰もわからずに。

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