第16章 The Last Time
小原に連絡をして、予定を変えてもらった。
「おいで…和也…」
そう言って腕を広げると、静かに身を寄せた。
「しょうさん…」
「どうした…?」
なにも言わず、シャツのボタンを開ける。
シャツを床に落とすと、今度はズボンを脱がせた。
ふたりとも裸になって、ベッドに倒れ込んだ。
性急に登ってきた快感を逃すこともせず。
俺たちは上り詰めた。
放っても、放っても。
和也は俺を求めた。
得体のしれない寂しさが登ってきて、和也の身体を何度も穿たずにはいられなかった。
「あっ…くっ…和也っ…」
「しょうっ…いっしょっ…」
「い、くっ…」
「ああっ…」
最後に果てたとき、和也は微笑んでいた。
気がついたら和也を抱いたまま眠っていた。
「和也…?」
まだ眠ったまま、俺を離そうとしない。
「お風呂入ろ?和也…」
薄く目を上げて、俺をみあげた。
「しょうさん…」
「ん…?」
「すき…」
そういうと、目に涙を溜めた。
「どうしたの…?」
「どこにもいっちゃ…いやぁ…」
「行かないよ…置いていかないから…」
ぎゅっと俺に抱きついてきて、そのまま和也はしくしくと泣き続けた。
前にも、こんなことがあった…