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ROSE【気象系BL小説】

第15章 Flower in the Sun


「ほんとに行くの…?」


空港に潤と智が俺たちを見送りに来た。


「うん…風間を見届けるよ…俺の役目な気がする…」


「あいつに近寄ったら、ろくなことないよ!翔!」


潤が吐き捨てるように言う。


「今は…榎本については、もう何も思ってない」


スーツケースに腰掛ける。


「今はただ…風間を見届けてやりたいって思う」


和也は傍のベンチで水を飲みながら座ってる。


智がなにくれとなく面倒みててくれていた。


「ガオのこと、ケリついたら、俺達も追いかけるから…」


「いいよ…こなくて…」


「俺達がっ…気がすまないんだ!」


潤がぎりっと拳を握りしめた。


「…ああ…そうだな…」


「翔は…なんでそんな落ち着いていられるの…?」


「さあ…」


潤の拳を解いてやった。


「いろんなことがありすぎて、感情のネジがイカれちまったのかもな…」


「翔…」


潤のように瑞々しく感情を露わにするには、擦り切れすぎた…


今はただ…風間の心が鎮まることだけを願ってる。


たとえ俺達が擦りきれて、力尽きても。


小原がパスポート片手に戻ってきた。


「小出さん、なかなか出してくれないんだもん。参っちゃった」


そう言ってにっこり笑った男前は、この前よりも迫力があった。

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