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ROSE【気象系BL小説】

第15章 Flower in the Sun


「和也、行くぞ」


そう声をかけたら、智の顔が曇った。


「もう…?」


「ああ…智、後たのんだな…」


「うん…翔…」


「ん?」


「無茶…しないでね…?お願いだから…」


「しないよ…智…」


「お願いだから!俺達が行くまでは…!」


「智…?」


「もう…あんな思いするの嫌だ…」


そう言うと、下を向いて涙を零した。


ナイーブ過ぎる智には…ガオの死が相当堪えたんだろう…


「カイロ…で…しょ…が、死んだって…言われて…が、ガオが、し、死んで…俺…」


「智…」


「おれ…もう…嫌だ…お願い…しょ…う…」


「わかったから…泣くな…」


そっと智の手を握った。


和也が、智を抱きしめた。


「和也…」


智がわーわー泣き出すから、慌てて隅っこへ引っ張っていった。


「さとくん…めめ、はれます…」


和也が優しく智の頭を撫でた。


「ん…ごめんな…和也…」


和也にもたれるように智が泣いた。


俺と潤はただ、それを見つめるしかなかった。


智、もう限界が来てる…


潤とそっと目を合わせた。


潤は潤んだ目をして、頷いた。


アメリカには…連れてくるな…

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