• テキストサイズ

ROSE【気象系BL小説】

第15章 Flower in the Sun


「また報告するよ…」


和也の頭を撫でた。


和也は首をすくめて、小原を見上げた。


ふっと笑って小原は部屋を出て行った。


なんか…様子が変だった…


それでも、それが何かわからなくて…


また俺は和也を抱きしめた。


和也も俺の腕にぎゅっとしがみつく。


「和也…どこか行こうか…」


そう言うと、和也は首を横にふる。


行きたくない。


ここから出たくないと、目で訴える。


「和也…このまんまじゃ…俺たち死んじゃうよ?」


目を見開いて、和也が俺に抱きついてくる。


俺の胸板に額をこすりつけていやいやをしている。


「和也…二人で、どこか行こう…?」


「いや…このまま…ここがいい…」


久しぶりに聞いた和也の声…


しゃがれていた。


「どうして…?このままここにいたんじゃ…ガオが悲しむよ…?」


「いや…おうちにいる…」


「和也…」


頑なに、俺達の居場所にこだわる。


「そっか…じゃあ、ここに居ような…」


もう…疲れたね…和也…


眠ろうか…そうだ。


医者に貰った薬がある。


これ、たくさん飲めば眠れるかな…


いっぱいあったよね。


「和也…お薬飲もうか…」


じっと俺を見上げた和也は、かすかに頷いた。


まるで、その意図がわかったように。
/ 420ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp