第15章 Flower in the Sun
風間がアメリカに渡った。
小原が連絡してきた。
慌てて小原をマンションに呼んで事情を聞いた。
小原が家に来ると、和也が怯えた。
「ん?どうしたの?俺、そんな怖い顔してるかな?」
頬を撫でながら小原が部屋に入ってきた。
和也は無言で俺の後ろに隠れる。
「気にしないで…最近、立て続けに人が亡くなってるから、ショック受けてるんだよ…」
「そう…?」
小原はこんなことぐらいじゃくじけないらしく、普通に話し始めた。
「風間がなにか掴んだらしいんだ」
「榎本のことか」
「うん…そうみたい」
にこっと俺に向かって微笑むけど、目が笑ってなかった。
「榎本ね、どっかヤクザとつながりあるみたいでね…だから風間がムキになってるみたい…」
それだけじゃないけどね…と小原がつぶやく。
その女みたいな顔を、手で半分隠して、窓の外を見る。
暫くそのまま沈黙が流れた。
凄いほどの美男って、なんでこんな迫力があるんだろう。
あんまり思考がまとまらない頭でぼけっとそう思った。
瞬きをして、小原が俺たちを見た。
ニッコリ笑うと、立ちあがった。