第15章 Flower in the Sun
ガオの葬儀から数日経つと、報道が出てしまった。
小出さんやレコード会社の人が、必死に食い止めていたけど、漏れ出るものはしょうがない。
俺たちはまた港区のマンションへ移動して、身を潜めた。
とてもじゃないけど、マスコミの相手なんかしてらんない。
avidはガオのバンドだ。
ガオが居なくなった今、存続はできないと思う。
彼女の力で、前に進んでいたバンドなのだから…
智や潤は、一体どう考えているんだろう。
雅紀は…
どうしているんだろう。
和也がなにも喋らなくて。
ガオが死んだことをきちんと理解してて…
気がついたらはらはらと涙をこぼして宙を見上げてる。
何か、和也には特別なものが見えてるのだろうか。
何にもできないちっぽけな俺達は、ただ小さなマンションで身を寄せあってた。
この先、どうなるか全くわからない。
どうすればいいのかも見えない。
「和也…おいで…」
また俺達は抱き合うだけの生活に溺れて行った。
もうなにも考えたくない…
なにも…
そっとしておいてくれ。
小原から連絡が入ったのは、そんな日常を過ごしていた時だった。