第15章 Flower in the Sun
園長先生が倒れるまでは、幸せだった…
両親が死んで、荒んでいた私を受け入れてくれた園長先生…
先生が倒れて入院した途端、副園長がのさばった。
好き勝手経営をやって、園の金にも手をつけたらしい。
それを追求する職員を追い出して、自分の言うことをきくやつばかり残した。
そして…
遂に、私たちに手を出した。
最初の犠牲者は、自殺した。
でも誰も何も言えなかった。
だって、帰る場所はここしかなかったから。
副園長は、変わった趣味を持ってて。
俊介に手を出そうとした。
私が変わりにヤラれてやった。
でも
そんなこと。
なんでもない。
温かい布団。
温かい食事。
清潔な洋服。
手に入るなら、我慢する。
こんなこと…なんでもないんだ…
「ガオ…」
「ん…?」
気がついたら寝てたみたいで。
俊介の腕の中で目覚めた。
「うなされてた…」
「そう…?」
額に手を当てると、汗をかいてた。
「そう…だよ…」
そっとまた、私を包んでくれた。
俊介はあの頃の小さな俊介じゃない。
もうたくましい腕を持ってる。
だから、私が守る必要もない…