第15章 Flower in the Sun
息ができなくて、意識が朦朧としてくる。
身体に力が入らなくなった瞬間、榎本の手が私の服を引き裂いた。
声も出せず、そのまま榎本が私の乳房を掴んだ。
「よくも今まで騙したな…」
底冷えするような声。
氷のように冷たい手。
「や…め…」
呻くような声しか出ない。
榎本は冷たく笑うと、私を陵辱した。
冷たい…
「ほら…お前にはこれが一番屈辱だろうよ…」
榎本の声が、耳にこびりついて離れない。
部屋を出ると、風間が心配そうにこちらを見ていた。
私の服をみると、表情が変わった。
「あの野郎…」
「風間っ…」
扉の前に立ちふさがって止める。
「てめえ!そこどけよ…」
「いいから…」
「智津…!」
「いいから!俊!」
「よくないだろ!」
「もう…いい…」
「智津…」
風間がぎゅっと私を抱きしめる。
「女なんて嫌いだ…」
「智津…」
「その呼び方やめろ…嫌いだ…」
「ごめん…ガオ…」
「私なんか嫌いだ…」
「俺は好きだよ…ガオ…」
「お前も嫌いだ…」
風間の腕が温かくて泣けた。
こんなにも自分は女なんだ…
ちっぽけなんだ…
アタシなんか…きらいだ