第15章 Flower in the Sun
「和也っ…」
左手を伸ばすけど、届かなくて…
雅紀に押さえつけられた右手に、鋭い痛みが走った。
「やめろおおおおおっ…」
その間
意識があったのかどうか…
やっと現実に戻ってきた時には、和也が泣いてて。
俺の傍でずっと泣いてて。
ボロボロの俺の身体を抱えてた。
「かず…なり…」
「しょう…しょう…」
「ごめんね…和也…」
「やだあああ…」
俺が何を喋っても和也の涙は止まることがなくて…
静かにその腕に抱かれているしかなかった。
身体がまったく動かない。
鉛を埋め込まれたように身体が重い。
「和也…ごめんね…」
雅紀の姿がない。
早く小出さんに連絡しないと…
でも、動けなくて。
いつのまにか俺も泣いていた。
どうにもならない力に組み敷かれて。
抗えない俺たちはなんてちっぽけなんだろう。
「和也…」
「しょう…いっちゃやだ…」
「いかないよ…ずっとそばに居て…?」
「いる…ぼく、いる…」
ぎゅうっと抱かれる体温と力が心地よかった。
このまま和也とずっとこうしていられたら…
なにも苦しむ必要のない世界へ行けたら…
そしたら…