第4章 Half Moon
先生の顔から笑顔が消えた。
「櫻井さん…それは難しいと思います」
「ええ…だから全て俺の弁護士に任せますから」
「え?」
「あ、俺、弁護士雇ってるんです」
「そ、れは…?」
「ああ…すいません…俺、貧乏学生に見えますよね…」
「え、ええ…」
「社会勉強のためにバイトだけで生活はしてるんですけど…」
先生の顔が更に厳しくなった。
「道楽なら、お断りします」
「え?」
「和也くんのこと、性的対象として見てるんですか?それとも、ペット感覚?」
「な、何言ってるんですか!」
「いるんですよ…たまに…金にもの言わせて障害者をペットにしようとするドスケベが…!あんたもそうなんでしょう!?」
「ちょ、ちょっと落ち着いて下さい、先生!」
「せんせぇっ…ちがうっ…しょうさん、ちがうっ…」
「和也くん、あなた騙されてるの!ここは先生に…」
「ちがうっ…すきになったのぼくっ…ぼくっ…」
「え…?」
「ぼくがしょうさんといっしょっていいました!しょうさんわるくないっ…」
「和也くん…」
「先生…俺…真剣です…」
「櫻井さん…」
「決して和也くんをそういう対象として…ましてやペットだなんておもってませんから…」