第15章 Flower in the Sun
障害が重くなったからと、周囲を誤魔化して。
後妻は邪魔だったのだ。
侑李が。
だって侑李は…
「え…?実の父親に…?」
『ええ。ずっと…』
侑李はずっと父親の夜の相手をしていたそうだ。
いや、正確に言うと。
父親が侑李の相手をさせられてた。
それも毎夜毎夜。
侑李が父親を呼ぶのだ。
後妻はその姿は、魔性にしかみえなかったと言った。
このままだと、父親が殺されると思って、侑李を蔵の地下に閉じ込めた。
しかし、結果は同じだった。
ある日、夜中に姿を消した父親は、地下牢で腹上死していた。
侑李は…
笑っていたんだって。
父親の上で。
「とーたん。起きない」
そう笑ったんだって。
後妻は逆上して、葬式が終わると侑李を市内のヤクザに売り払った。
家も土地も売り払おうとしたけど。
妙な噂が立って、売れなかった。
後妻が侑李を殺して埋めた、と。
裕福な農家だと思ったのに。内情は火の車で。
金のない後妻は、今でもあの土地にしがみついているしかない。
小原が調査したのはここまでだった。
胸が、焼けつくように気持ち悪い。
吐いてしまいたい。