第15章 Flower in the Sun
おじいちゃんにあれこれ詮索されながらも稲芽についた。
地図の通り、なんにもないところで。
山と田んぼばっかり。
その田んぼも、放棄されてる。
荒れ放題。
「あんたぁ。帰りどうするんだ?」
「あ…そうですね…どうしよう」
「じゃ、そこに知り合いの家あるから、頼んでおいてやるよ」
「えっ…いいんですか?」
「いいよお」
そういうと、その家に入っていって、OKサインをしながら出てきた。
「帰りに寄ってけぇ」
そう言って歯の抜けた笑顔を見せた。
「ありがとうございます!」
そういうと、軽トラを走らせて帰っていった。
「…よし…」
地図を見ながら、あたりをぶらぶらした。
侑李の住んでいた家の辺りまで来ると、急に民家がなくなって。
なんだか荒れ果てた感じになった。
「おっかしいな…そんな感じじゃないのに…」
報告書に書いてある風景とは、かなり違った。
もっと緑が活き活きとして、綺麗な小川が流れて…
そんな風景が報告書には書いてあった。
こんなところで侑李は過ごせていたんだと思うと、幸せだった。
なのに…