第15章 Flower in the Sun
「まーしゃっ!まーしゃっ!」
侑李…
「ほら、どんぐり!」
きらきら髪が、夕日に光って。
とても綺麗だった。
ねえ、侑李。
お前には、世界はどんな風に見えてたの?
綺麗だった?
素敵だった?
それとも…真っ暗だった?
「相葉さん、今更こんなことしたって…無駄ですよ」
小原が言うけど、俺はどうしても行きたかった。
「だってさ…侑李の生まれたとこ、見てみたいじゃん…」
「でも…」
「なんだよ」
「小出さんに止められてたから言えなかったけど…」
「え?」
「実は侑李くんの身元、わかってるんです…」
小原からもらった調査書を手に、静岡に行った。
侑李の葬儀は、きっと皆がやってくれるだろう。
最後のお別れ…
そんなのどうだっていい。
もう生きている侑李は居ないんだから。
侑李がどんなところで育って、どんな風景をみていたのか知りたかった。
ただ…それだけだった。
小原にも、それ以上するなと言われていた。
知らないほうがいいこともある、そう言われてた。
それはよくわかるから、本当はそれ以上、踏み込むつもりはなかったんだ…