第15章 Flower in the Sun
ガオが立ちあがって、雅紀を殴った。
「ふざけんな…なんでこんなになるまで一人でいたんだ…」
雅紀は笑ってなにも答えない。
智がガオを止める。
「ガオ…待てって…」
「なんで…!なんでアンタ達はそんな冷静で居られんだよ…!」
「今のこいつに何言ったって無駄だよ」
「だって…!」
「ガオ…見てみろよ…ラリってんだよ…こんな状態で、どうして?って聞いてもまともに答えない。わかるだろ?」
ガオが顔を片手で覆って俯く。
「治療に行く…」
潤が遮る。
「無駄だ」
「アンタは冷たい!」
「違う!治療に行ったとこで、雅紀に立ち直る気がなけりゃ、一緒だって言ってんだよ!」
「違う!違う!」
「ガオ…もう…やめようや…」
「だって雅紀が…」
「無理だよ…還ってこれない…」
その間もずっと雅紀はへらへら笑ってた。
ぞっとするほど冷たい目で。
「とりあえず、これで縛っとけや」
小出さんがガオたちに向かってロープを投げた。
「話はそれからだ」
「小出さん…」
「俺は、雅紀を見捨てたりしねーぞ」
「でも…コイツ…」
「潤、お前の潔癖なとこ、俺ぁ好きだよ。だがな。雅紀は…雅紀も、俺にとっちゃぁ、俺の子供なんだ…」
そういうと、下がり気味の眉毛を更に下げた。
「親は子供を見捨てらんないだろ…?」