第15章 Flower in the Sun
avidとして、招集が掛かって、事務所に集まることになった。
侑李の死から、一ヶ月が経っていた。
和也と手を繋ぎながら、応接室のドアを開けた。
小出さんがドアのすぐ傍に立っていた。
「あ、おはよ…」
「和也はみーちゃんに預けろ」
有無を言わさない、厳しい声だった。
「え…?」
「いいから…」
和也の顔が不安で曇った。
「いや…だめだ。和也まだ不安定なんだ…一人にできない…どうしたんだよ…」
小出さんは和也の痩せた顔をみて、溜息をついた。
「翔、そこから雅紀のツラみてみろ…」
「え…」
ドアから顔だけ覗かせると、ソファに座る雅紀が見えた。
傍に潤と智が立ってる。
ガオは床に蹲ってる。
雅紀の顔をみた。
背中を冷たい汗が流れた。
「ま、さき…」
その表情は、恍惚として。
でも目は氷のように冷たくて。
やせ細った身体で、ゆらゆら揺れていた。
「お前…」
薬物依存症。
今度こそ、戻ってこられない深淵に、雅紀は落ちていったと思った。