第15章 Flower in the Sun
暫く、雅紀が落ち着くまで、仕事はなかった。
小出さんのはからいだろう。
その間、俺達も傷を癒やすようにじっと過ごした。
和也は口数が減って…
ご飯もあんまり食べなくなったから、無理やり食べさせる。
スプーンを口に持って行くと、なんとか食べるが、ほうっておくとご飯を目の前にして、ぼうっと座っている。
「和也…侑李みたいだよ…?」
そういうと、目を真っ赤にして俯く。
かわいい侑李…
はかない、侑李。
やっと巣立った小鳥が、ぽとりと死んでしまったようだった。
心に空いた穴は、計り知れない。
和也の口から漏れでたスープを舐め取る。
虚ろな目を俺に向けると、あっと言う間に食事をやめて、胸に飛び込んでくる。
「和也…」
「しょうさぁん…」
甘えるようにいうと、潤んだ目で俺を見上げてくる。
「ん…わかった。ここで、ご飯食べような…?」
「うん…」
結局、俺の膝の上で和也は食事をする。
「ちゃんと食べような…」
「うん…」
それでもあまり食が進まなくて…
和也は一回り痩せてしまった。
俺も、なんだか痩せたかな…