第15章 Flower in the Sun
暫く、和也は子供に帰ったようになった。
俺は薬のせいか、数日頭痛が酷くて。
その間に雅紀が見つかって、家に連れ戻されたって連絡があった。
アイツ、静岡に居たんだって。
なんでか聞いたら、侑李が静岡出身だってわかってたんだって。
侑李の拙い言葉を繋いで、どうやら静岡で生まれたことだけはわかってて。
侑李のことをずっと調べてたらしい。
なんにもわからなかったらしいけど。
雅紀、逃げたわけじゃなかったんだ…
急に、薬に手を出してしまった自分が恥ずかしくなった。
もう、これきりにしよう…
こんなんじゃ、ダメになる…
ソファに座りながら電話を受けていたら、膝の上に和也が乗ってきてきた。
親指を咥えながら、無心に俺にしがみついてくる。
ぽんぽんと背中を叩きながら、やっと俺は心が解けてくるのを感じた。
ガオ…
なんで…?
ズキンと心が痛んだ。
けど、こんなところで躓いたらだめだ。
やっと和也と穏やかに暮らせるようになったのに…
「和也…ごめん…」
小さく、頷いた。
わかってたのかな…
俺が薬に手を出したって。
いつもの俺じゃなかったって。