第14章 Coo Coo
「わー!綺麗な小川!」
珍しく智が大きな声を出して、小川につっこんでいった。
「智ってあんなキャラだっけ…?」
潤に話しかけると、苦笑いをした。
「なんか、俺のキャラ伝染っちゃったみたいなんだよね…」
なんにでも感激したり、感情の振れ幅が大きい潤と居るうちに、智は似てきたという。
「あ。でも…」
ふと遠い目をして、それから俺の顔をまじまじと見た。
「え…?」
「ううん…智ね、エジプトに和也を探しに行った翔の姿みて、変わったのかもな…」
ニッコリ笑うと、そのまま智の後を追っかけて、潤も小川に入っていった。
和也と侑李も交えて四人できゃっきゃと遊んでいる。
雅紀は近くの岩の上で、タバコを吸ってる。
手首が、一回り細くなった気がする。
ドラム叩いていないからかな…
近いうちに、東京に戻ろう。
そしたら、きっと雅紀も元気になるだろう。
俺を切なげに見つめる目も…
きっと、収まる。
そう思いたかった。
「しょうさーん!」
和也が俺を呼ぶから、水辺まで行くと、和也に手を引っ張られる。
「あっ…!」
予想外の行動に、慌てた俺はついた右足を滑らせて、派手に水の中へ突っ込んでいった。