第14章 Coo Coo
玄関の呼び鈴が鳴った。
雅紀がエプロンで手を拭きながら玄関へ出る。
宅急便でも届いたかな?
侑李と和也がおえかきしているのを見守っていると、玄関から悲鳴が聞こえた。
「雅紀っ!?」
慌てて玄関に出ると、腰を抜かしてる雅紀の腹の上に、カニが乗ってた。
「びっ…びっ…びっくりしたああ…」
なんとか雅紀が声を出すと、玄関の外から爆笑が聞こえてきた。
「こんにちはー!」
潤と智が手を繋いで入ってきた。
「雅紀、ビビりすぎだろ」
智がしれっとした顔で言う。
「誰だってびびるわっ!目の前にカニ出てきたら!」
雅紀はそれでも丁寧に腹の上のカニを取るとしげしげと眺めた。
「でけえ…」
「わざわざ築地で買ってからきたんだよ!」
潤が無邪気に答える。
群馬まで運んだのかよ…
「ねー!俺達も泊めてね」
「あ、ああ…いいぜ。部屋余ってるし」
「じゅんくーん!」
侑李が潤に飛びつく。
「さとくーん!」
和也が智に飛びついた。
俺と雅紀は暫く、おいてけぼりをくらった。
その間に、カニを食べる準備をしといた…
雅紀と目が合うと、少し苦笑いをした。