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ROSE【気象系BL小説】

第14章 Coo Coo


「雅紀…」


「んー?」


「お前、吐いたりしてないよね?」


「えー?なんで?」


「だって、お前なんか痩せたよ?」


「…そう?」


キッチンで夕飯を作っている背中に話しかける。


雅紀は忙しそうにして、俺の顔を見ようともしない。


「なあ…こっち見ろよ」


「なんだよ…」


恐る恐ると言った感じで、こちらを見る。


やっぱり頬が痩けてる。


「なんか…悩んでるの?」


「別に…?」


そう言うと、またシンクに向かってしまった。


「なんか、あるなら言えよな…」


「別に…なんにもないよ…?」


笑いを含んだ声。


でも俺には、無理してるように聞こえた。


これ以上なにも言わないと判断したから、諦めたけど…


とっさに、思い浮かんだことがあった。


キッチンに引き返して、雅紀の左腕を取った。


「なにすんだよ!」


二の腕まで袖をまくり上げる。


…よかった…ない…


「…翔…」


「ごめん…」


「…いや、いいよ…」


袖を直しながら、悲しい顔をした。


「やっぱり、疑うよね…」


「ごめん…」


「いいよ…」


また俺に背中を向けた。


よかった…注射の痕、なかった。

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