第14章 Coo Coo
侑李が起きだしてくると、さっそくどんぐり大会が始まった。
侑李はきゃっきゃ言って喜んでた。
「ゆーりくん、はい!」
和也がつくった、どんぐりの人形を見せる。
「ああ…凄いな…」
雅紀にはない発想だったみたい。
きりでどんぐりに穴を開けて、そこに爪楊枝を刺していって、継ぎ足して人形にしていくのだ。
和也は器用にそれをやった。
和也と侑李は床に座って、どんぐりを散らかして遊んだ。
雅紀がテーブルで、じっとどんぐりを見つめる。
「どうした?雅紀」
「ん…いや、これさ…城島さん、食べてなかったっけ?」
「えっ…」
城島さんとは、俺達の事務所の先輩で。
スタジオミュージシャンをしているが、昔はバンドを組んでいた頃もあった。
その頃にちょっとだけテレビに出てたことはあったけど…
「なんか、昔出てた番組で、どんぐりの粉で作った団子みたいなの食ってた気がする…」
「チャレンジャーだな…あの人…」
俺もだまってどんぐりを見た。
「かずなりくん、かわいい~」
「よかった、ゆーりくん」
侑李が人形を持って、和也になにか話しかけてる。
「かずなりくん、いたいのいたいのとんでけー」
「わああ、とんでったー」
かわいくて、はなぢがでるかとおもった。