第14章 Coo Coo
暫くしたら、和也は眠ってしまった。
なんだ…眠かっただけか。
苦笑して、後部座席からブランケットを取る。
和也にふんわりとかけてやる。
昨日、無茶しちゃったもんな…
思い出して赤面した。
求めても、求めてもまだ欲しい。
和也が足りない。
もっともっと俺で埋めたい。
信号が青になって、慌ててアクセルを踏む。
「あ…」
そういえば、まだやってないことがあった。
昼まで時間はまだたっぷりある。
「和也…先生のところ、いこっか?」
先生は、群馬で眠ってる。
ここから一時間あれば行って帰ってこられる。
途中の商店で、花を買った。
彼岸じゃないから、菊は売ってなかったけど。
地元の農家の人が作ってる、素朴な花束だった。
「あの、お線香ってありますか?」
そう聞くと、奥の方から出してきてくれた。
お金を払って車に戻ると、和也が起きてた。
車からじっとこちらを見てた。
「和也、ごめんね。おまたせ」
「おはな?」
「うん。和也、先生に会いに行こう?」
「せんせぇ…」
そういうと、黙りこんでしまった。