第14章 Coo Coo
「どんぐりをいとでつなげるです!」
「え?」
「いとでつなげたら、あたまにのせられます!」
「あ、そっか…」
「あとさ、爪楊枝挿したらコマにもなるぜ?」
「うん…作ってみる」
熱を出したら、何日も下がらない侑李のために、雅紀は室内で遊べるものに苦心してた。
「やってみるよ…ありがとね。ふたりとも…」
「うん…昼飯、俺達が作るから。雅紀は侑李についててやんなよ」
「ありがと、翔」
氷を出すのを手伝って、雅紀は部屋に入っていった。
「ゆーりくん、わるいですか…」
「ん…まあ今日は静かにしててやろうな?」
「はぁい…」
なんとなく和也までシュンとしてしまった。
さっきの俺の言葉も。
まだ引きずってるんだろうな…
俺は和也の頭を抱えた。
「元気になったらたくさん遊ぼうな」
「はぁい…」
昼まで時間があったから、買い出しにでかけた。
車を出して、街まで降りていく。
和也はぼんやりと窓の外を見てた。
昔の事を思い出しているんだろうか。
本当は、居なくなった5年間の事を聞きたい。
でも和也からそれを聞き出すのは困難で…
誰も、和也がどう5年を過ごしていたのかわからないままだった。