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ROSE【気象系BL小説】

第14章 Coo Coo


和也が身体を離す。


見つめ合うと、顔を近づけてきて静かに唇を重ねた。


「いっしょ…」


「うん…もう、離れないからな…」


涙に濡れる顔を、満面の笑みにした。


また抱きしめていると、俺達はひとつになって。


このまま融け合って、宇宙に漂いたいと思った。


和也と二人なら、アンドロメダまでだって行ける。


「しょう…」


「ん…?」


「どんぐり、なくなった…」


みると、和也のポケットは空っぽで。


俺のポケットのも知らない内になくなってた。


「戻ろうか…道に落ちてるからそれ拾って帰ろう」


「はぁい」


遊歩道を戻りながら、どんぐりを拾っていった。


まるでヘンゼルとグレーテル。


俺たちを売る、悪いお父さんは。


もう、居ない。


別荘にたどり着いたら、シンとしてた。


雅紀がちょうど洗面器を抱えて部屋から出てきた。


「あ、さっきはごめんね…」


気まずそうに目を逸らした。


「まさきくん!どんぐり!」


手のひらいっぱいのどんぐりを雅紀に見せた。


「あ…もしかしてこれ、侑李に?」


「はいっ!」


「…ありがとね…和也…」


ちょっと涙ぐんで、雅紀はそれを受け取った。

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