• テキストサイズ

ROSE【気象系BL小説】

第14章 Coo Coo


昼近くになって、外が少し温かくなってきたので、皆で散歩にでかけた。


小川に入りたいという侑李をなだめて、別荘から少し遠い散策路に入った。


和也と俺、雅紀と侑李。


二組ずつ手を繋いで歩く。


侑李は小川に入れなかったからだいぶ拗ねてた。


「ゆーりくん、あとではいろ?」


「うん…」


人差し指を咥えて、元気がない。


「侑李、どうした?」


雅紀が侑李の額に手を当てる。


「あ…熱ある。ごめん、翔。帰るわ」


「あ、俺達も…」


「いいから!」


強い口調にびっくりした。


「あ…ごめん…」


雅紀自身もびっくりしたような顔してた。


「二人で散歩してきなよ。俺たち、別荘にいるから…」


「あ、ああ…わかった…」


雅紀は侑李をおんぶすると、別荘に引き返していった。


「まさきくん、おこった?」


和也が心配そうに俺を見上げた。


「わかんない…きっと、侑李が心配だったんだよ」


「ん…」


「いこっか…」


「はぁい」


和也とぶらぶら歩き出した。


和也の左手は、ぶるぶる振られてる。


最近の流行りだ。


手の振動が面白いらしい。


右手で俺の手をぎゅっと掴んでる。


和也が触れてると、そこから温かいものが流れ込んできて…


さっきの冷たい気持ちが溶けていくようだった。


和也は、俺のブレーキなのかもしれない。
/ 420ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp