第14章 Coo Coo
「まーしゃ…」
侑李が俺の髪の毛で遊んでる。
最近、くるくるパーマを掛けたのがお気に入りで。
「なあに?侑李」
微笑むと、侑李も笑う。
良かった。ごきげんなおった。
右手をぶらぶらさせながら、左手で無心に俺の髪をいじる。
「もう、好きにしろよ…」
ふふと笑うと、背もたれに身体を預けた。
「まーしゃ…まーしゃ」
「なあに?」
「かずくんと、しょうくんがちゅーしてた」
「えっ…お前、みたの?」
「みたあ!」
おいおい…どこでしてたんだよ…
勘弁してくれよ。
「ぼくもしたい…まーしゃ」
「えええっ…」
「したいー」
「だっ…だめだよ。ちゅーは、好きな人としかしちゃいけないんだよ?」
「まーしゃすき…」
「もう…だめだってば。俺と侑李はそんなことしないの」
「なんで?けえちゃんはしてくれたー」
「え…?」
「けえちゃんはしてくれた!」
「ちょっ…お前っ…」
慌てて侑李の口を塞ぐ。
やばい…
こんなの翔と和也の前で口走ったら…
「侑李…?」
「んー?」
「”けえちゃん”の話は、しちゃだめだよ?」
「なんでぇ?」
「和也と翔が泣いちゃうから…」
そういうと、侑李は悲しそうな顔をした。
「なんでぇ…」