第14章 Coo Coo
前だったら…
翔のあんな姿みたら、嫉妬で狂ってたかもしれない。
でも、今は…
腕の中のあったかい塊。
「まーしゃ…ないない」
「ん?そうだね…ないないになったかな…」
翔への嫉妬心。
薬への執着心。
…やっと、なくなったかな…
侑李…お前のお陰だよ。
ぎゅっと抱きしめると、きゃっきゃと笑った。
幸せな気分になる。
侑李…お前は俺が、一生面倒みるからね。
お前は、俺がいないと生きていけないもんな…
「まーしゃ…」
「ん?」
「おそといきたい」
「だーめ。朝は寒いよ?」
「やーっ!」
「だめ。昼間ならいいよ?」
「うぅ…」
人差し指を咥えると、俯いてしまった。
ソファに座ったまま抱きかかえてると、だんだん侑李の体重が重くなってくる。
脱力して、俺に全てを預けてるんだ。
こんなに頼られてるなんて…
この子を育てたい。
そう思ってる。
決して、翔と和也みたいな関係になるつもりはない。
本当の息子みたいに思ってる。
…だって、侑李の身体は綺麗なままだから。
俺には汚すことなんてできない。