第14章 Coo Coo
リビングに戻ると、侑李はソファでうとうとしてて。
雅紀と和也は何か書いていた。
「何してんの?」
「あ、翔。すごいんだよ、和也」
覗き込むと、雅紀が五線譜に音符を書いてる。
「これね、エジプトで習った歌なんだって」
「ああ…さっき歌ってたやつか」
「なんか、すっごく不思議なメロディーだよね」
音符を追っていくと、さっきの和也の歌が鮮明に蘇ってきて。
「今度のアルバムに、入れようか」
そう言ったら、雅紀がにやっとした。
「だから、楽譜に起こした」
「やるねえ…」
「どういたしまして」
後ろで侑李がこんこんと小さく咳をした。
「あ、しまった。侑李。寝るぞ」
「いーやっ…」
「ばか!咳してるだろ!」
「いーやっ!いーやっ!」
「はいはい…お前、反抗期かよ…」
雅紀は侑李を抱え上げると、部屋へ向かった。
「おやすみ。あ、俺らの部屋、お前らとは一番遠いところだから、遠慮無く」
きりっとした顔をすると、雅紀は素早く部屋に入っていった。
「あ、ば、ばか…」
「とおいへやだと、なにがえんりょいりませんか?」
「忘れろ…」
「はあい?」