第14章 Coo Coo

リビングにいくと、豪華な料理ができててビビった。


「うっそ…まじで？」


「あ、翔。いいとこにきた。それ、運んで？」


雅紀に言われるまま、大皿を運ぶ。


ダイニングテーブルには、いっぱいの料理が並ぶ。


「さ、侑李。どれからでも食べていいからね？」


雅紀が甲斐甲斐しく、侑李の世話をしてる。


「やーの」


「えっ」


「ゆーりたべない」


「えっ」


「やーの」


「コラっ！侑李！」


「やーのおおお！」


侑李が椅子から立ち上がって、俺の後ろに隠れる。


「ごらあ！逃げたってダメだぞ！」


「やーのっ！」


バタバタ追いかけっこを始める二人を尻目に、和也はぱくぱく料理を食べ始めた。


「しょうさん！おいしいです！」


「お前ねえ…」


「？」


「いや、いい…」


俺も諦めて飯を食べ始めた。


「雅紀ー、お先なー」


「ああっ…もう！いいよ！先に食べててっ！」


言われる前にもう食べてた…


雅紀が息を切らして、侑李を捕まえてくる頃には、俺達はすっかり食べ終わってた。


和也は、侑李を覗き込むと眉間にしわを寄せた。


「ゆーりくん、めっ！」


「ふぇ…ごめんなしゃああい」


侑李は和也に抱きついて離れなくなった。


和也が、侑李の口に小さく切った食べ物をちょっとずつ運んだ。


侑李はそれを啄むように食べた。


雅紀は疲れきってた。


コイツ…毎日こんなことしてんのかな…