第14章 Coo Coo
俺と和也が風呂の準備をして、雅紀と侑李が夕飯の準備をした。
この別荘の風呂は、無駄に広くて。
掃除するのも苦労する。
しかも岩で作ってあるから、冷たい。
一旦あたたまると冷めにくいからいいんだけどね…
デッキブラシで風呂場を擦りながら、和也が歌を歌い出した。
聞いたこともない言葉と、メロディー。
「和也!それ、何の歌だよ!」
「おばあさんにおしえてもらいましたぁ…」
「あ、まじで…カイロの歌か…」
暫くそれを聞きながら掃除してた。
和也は、あんな環境の中でも楽しく暮らしていたのかな…
俺が居なくても。
おばあさんと楽しく暮らしていたのかな…
ふと顔を上げると、和也が悲しそうな顔をして立っていた。
「しょう…」
俺にふわっと抱きついてきた。
「ん…?どうした?和也」
「ぼくはあなたがすきです」
「え…わかってるよ…どうしたんだ」
「ずっとぼくだけあいしてください」
「和也…?」
「ぼくも、あいするから…」
ぎゅっと抱きつくと、目を閉じた。
「…わかったよ…お前も淋しかったんだよな…?」
「はぁい…」
「よし!もう掃除やめっ!」
「はぁぁぁい!」
俺たちは夕飯に向かって駈け出した。