第14章 Coo Coo
別荘の前には小川が流れてて。
侑李と和也はそこで遊んでる。
俺と雅紀は近くの岩場に座って、それを眺めてる。
「雅紀、薬やめた?」
どストレートに聞いてみた。
雅紀は吸っていたたばこを落としてむせた。
「ごほっ…ごほっ…な、なんだよ…急に…」
「いいから。俺はそれが一番気になってたんだ…」
「…やめたよ…侑李といたら、そんなヒマねえよ…」
「よかった…」
「ありがとな…」
「え?」
「翔のお父さんに、侑李のことちゃんとしてもらって…」
侑李は結局、ご両親が見つからなくて…
親父に頼んで、国籍とかいろいろキチンとしてもらった。
もちろん、それには小原の力も借りた。
多分、風間の力も。
親父には汚い仕事はさせられないから、いろいろな部分でアイツらの力を借りた。
その上で、親父に最後の始末をしてもらって、無事に侑李は雅紀と暮らしてる。
こんなに親の権力使ってもいいんだろうか…
外務省って怖い…
「侑李、元気になるといいな…」
「ああ…」
見ていると、足首を小川につけてはしゃいでる。
和也より白い足。
雅紀が愛おしそうに、侑李を眺めてた。