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ROSE【気象系BL小説】

第14章 Coo Coo


群馬の山奥は、空気が綺麗だった。


親父とおふくろの実家が前橋で。


この別荘の建つ山は、ばあちゃんの家ので。


そんな生まれの特権をフルで活用して、俺達は静養にきた。


バンドの皆には、もう暫く静養する許可はもらった。


ガオなんて、涙をこらえながら「さっさといけよ、邪魔」とか言って。


俺達が帰ってきたことを、心から喜んでくれて…


事務所の応接室で、俺達は何時間も喋った。


ふと見ると、潤と智が手を繋いでた。


「えっ…お前ら…」


「あっ…言ってなかったっけ…?」


「あ、言いそびれてた…」


「そういうことだから…」


ガオは微笑んで二人を見てる。


雅紀も苦笑いしながら、二人を見てた。


小出さんだけが苦々しい顔してた。


「絶対に外にバレないようにしてくれよ…お前ら…」


「はーい」


ニコニコしながら俺たちは返事をした。


「ね、翔…」


雅紀が遠慮がちに声を掛けてくる。


「ん?」


「侑李ね、最近ヘンな咳するからさ、俺達も群馬、行ってもいい?」


「あ、うん。部屋はいくらでもあるから。いいよ」


和也の顔がぱあっと明るくなる。


「ゆーりくんもくるですか?」


「ああ、いい?和也?」


雅紀が和也の目を覗きこむ。


「はいっ…うれしいです!」


その顔を見て、雅紀はほっとしたようだった。

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