第13章 Move Over
ソファに座って、後ろから和也を抱きしめて、一緒にテレビを見る。
「あー…テレビなんて久しぶりだな…」
夢中になってると、和也がリモコンで消してしまう。
「なにすんの…?」
「やー…」
上目遣いで俺のこと見る。
「テレビばっか見るなって?」
「はぁい…」
「だって…こうでもしてないと、俺、また和也といっしょしたくなるもん…」
この家に帰ってきてから、お互い求め過ぎてて…
和也の身体に負担が掛かってるのはわかってるんだけど…
やめられなくて。
「いっしょする」
「だ、だめっ…!」
「なんでですか…」
「ちょっとお休みしないと、和也の身体、痛くなるよ?」
「だって…ほしいです…」
「俺だって欲しいよ‥?でも、ちょっと我慢しよ?」
「やー!」
「あっ!こらっ!和也!」
シャツを脱がされた瞬間、和也の動きが止まった。
「…?どうした?」
和也が俺の左腕をとって、じっと傷跡をみてた。
そのまま傷跡に唇を這わせて、長い時間、和也は泣いた。
静かに、ハラハラと。